「天川の水」が流れ込む保々見湾の海水
海士乃塩の原料となるのは、保々見湾の海水です。この海域には、日本名水百選のひとつに選ばれている「天川の水」が流れ込んでいます。
島の自然が育んだ海と水を原料にすることで、海士町ならではの塩づくりが行われています。隠岐の豊かな自然環境そのものを生かした、島育ちの調味料です。
約2~3週間かけて海水を濃縮
塩づくりで重要となる海水の濃縮には、時間をかけた風力乾燥を採用しています。約2~3週間かけて海水をゆっくりと濃縮していくことで、次の工程へと進むための濃い塩水を作ります。
効率を優先して短時間で仕上げるのではなく、自然の力を利用しながらじっくりと時間をかけることが、海士乃塩の製法の大きな特徴です。
島の薪を使った平釜で約12時間
濃縮された海水は、島内の薪だけを燃料にした平釜で煮詰められます。薪をくべながら約12時間かけてじっくりと火を入れ、職人が平釜の中を丹念に攪拌しながら、時間をかけて塩を結晶させていきます。
薪の火を使い、釜の状態を見ながら手をかけて煮詰める工程には、昔ながらの塩づくりを思わせる手仕事の魅力があります。
遠心分離を使わない自然脱水と天日干し
煮詰めた後の塩は、遠心分離機による脱水を行わず、自然脱水によって水分を落とします。その後、天日に当ててじっくりと乾燥させ、塩を仕上げていきます。
海水の濃縮から乾燥まで、自然の風や太陽の力を取り入れながら、長い時間をかけて完成させるのが海士乃塩の製法です。最後には手作業で微細な異物を丁寧に取り除き、商品として仕上げられます。
きりっとした塩味で素材を引き立てる
海士乃塩の特徴は、「きりっ」とした塩味です。料理の味を強く変えるというよりも、素材の風味を引き締め、全体にメリハリを与える調味料として活躍します。
シンプルな料理ほど、その味わいを生かすことができます。炊きたてのごはんで作るおにぎりに使ったり、野菜のサラダに振りかけたり、素材と直接合わせることで、塩そのものの存在感を楽しめます。
焼き魚など旬の味覚にも
海士乃塩は、魚介類との相性も良く、焼き魚などの味付けにもおすすめです。旬の魚にシンプルに塩を合わせることで、素材の持ち味を引き立てます。
肉料理や野菜料理など幅広い料理に使えるため、普段の食卓でさまざまな使い方を試せるのも魅力です。料理の最後に少量加えて味を整えるなど、仕上げの調味料としても活用できます。
隠岐の自然と手仕事が詰まった島の塩
「海士乃塩」は、保々見湾の海水と天川の水、島の薪、風や太陽といった隠岐の自然を生かしながら、長い時間と手間をかけて作られる塩です。
約2~3週間の風力乾燥、約12時間の平釜炊き、自然脱水、天日干し、そして最後の手作業による仕上げまで、効率だけでは生まれない丁寧な製塩が受け継がれています。隠岐の海と島の暮らしを感じながら、旬の食材を引き立てる調味料として楽しみたい一品です。