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杜塾美術館

(もりじゅく びじゅつかん)

庄屋屋敷で味わう芸術と歴史

杜塾美術館は、島根県津和野町にある趣深い美術館です。津和野藩の筆頭庄屋であった歴史ある屋敷を修復・改装して誕生した施設で、古き良き日本建築と芸術作品が美しく調和しています。JR山口線「津和野駅」から徒歩約15分の場所にあり、津和野の町並み散策とあわせて訪れる観光スポットとして人気を集めています。

館内では、津和野出身の洋画家中尾彰氏と、その夫人で画家の吉浦摩耶氏による温かみのある作品を中心に展示しています。また、スペインの巨匠フランシスコ・ゴヤによる貴重な版画作品「闘牛技」シリーズも鑑賞することができ、美術愛好家にも高く評価されています。

歴史ある庄屋屋敷を活かした美術館

杜塾美術館の建物は、明治時代に建てられた旧弥重家住宅を活用したものです。木造二階建ての重厚な建築で、太い梁や黒光りする柱、大きな土間など、往時の庄屋屋敷の面影を色濃く残しています。

入母屋造りの屋根や瓦葺きの外観は堂々としており、館内に一歩足を踏み入れると、木のぬくもりと静かな空気に包まれます。美術作品だけでなく、日本建築そのものの美しさを味わえるのも、この美術館ならではの魅力です。

中尾彰・吉浦摩耶の心和む作品

館内には、津和野出身の洋画家・中尾彰氏の作品が展示されています。中尾氏は1904年に津和野で生まれ、独立美術協会会員として活躍しました。長野県の蓼科高原を愛し、自然豊かな環境の中で創作活動を続けたことで知られています。

また、吉浦摩耶氏の作品も展示されており、色彩豊かで優しい雰囲気の絵画が訪れる人の心を和ませてくれます。病院の壁画制作なども手掛けた吉浦氏の作品には、人々に安らぎを与える温もりがあります。

ゴヤの貴重な版画「闘牛技」

杜塾美術館では、スペインを代表する画家ゴヤの銅版画「闘牛技」シリーズも展示されています。この作品群は、ゴヤが生涯をかけて取り組んだ重要な芸術作品のひとつであり、世界的にも貴重な存在です。

特に展示されている最終版は、原版がスペイン・マドリッドの聖フェルナンド国立アカデミー美術館に保管されており、今後新たに増刷されることのない大変貴重な版画です。日本の歴史的建築の中で西洋美術に触れられるという、独特の体験を楽しむことができます。

幻想的な「針穴写真」の風景

杜塾美術館の見どころのひとつが、2階奥で見ることができる「針穴写真」の現象です。雨戸の小さな節穴から差し込む光によって、庭園の景色が室内に逆さまに映し出されます。

まるで昔ながらのカメラの原理を体験しているような不思議な光景で、訪れた人々を驚かせています。静かな館内で幻想的な映像を眺めていると、時間を忘れてしまうような感覚を味わえます。

木の温もりと芸術が調和する空間

杜塾美術館は、ホームセンター「ジュンテンドー」の創業者である飯塚道正氏によって開館されました。「杜」という名前には、人々が集い、語らい、心を癒やす場所であってほしいという願いが込められています。

重厚な日本家屋と色彩豊かな絵画が織りなす空間は、どこか懐かしく落ち着いた雰囲気に満ちています。美術鑑賞をしながら、津和野の歴史や文化、そして日本建築の魅力をゆっくり味わうことができるでしょう。

アクセス・利用案内

所在地:島根県鹿足郡津和野町
アクセス:JR山口線「津和野駅」から徒歩約15分
入館料:無料

津和野の歴史的な町並みを散策しながら立ち寄ることができる杜塾美術館。静かな空間の中で芸術と歴史に触れ、心穏やかなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
杜塾美術館
(もりじゅく びじゅつかん)

津和野・益田

島根県