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スズキの奉書焼

(しょうしょやき)

スズキ一匹を丸ごと奉書紙に包んで蒸し焼きにする、贅沢な逸品

スズキは出雲神話にも登場する宍道湖を代表する出世魚で、宍道湖七珍の一つにも数えられるほどの名物。昔、大橋川の漁師が焚火の熱灰の上で魚を焼いて食べているのを当時の松江藩主・松平不昧公が見て、是非にと所望したところ、灰が付いたまま差し出すのはあまりに恐れ多い、と奉書に包み蒸し焼きにして献上したところ、大変喜ばれたというのがスズキの奉書焼の始まりだという。その料理のあまりの美味しさに、松江藩のお止め料理となり、明治維新まで、庶民は口に出来なかったとされている。

宍道湖は、島根県北東部に広がる湖で、約1万年前に形成されたとされています。湖の面積は国内7番目に広く、風光明媚な湖面から「日本百景」にも選ばれています。宍道湖は汽水湖であり、海水と淡水が混ざり合い、水域や季節によって海水の混ざり方が変わります。この独自の環境が、地元の郷土料理に影響を与えています。

宍道湖の名物である「宍道湖七珍」には、スズキが含まれています。スズキは成長とともに名前が変わる出世魚であり、古事記の出雲神話にも登場します。江戸時代から続く城下町である松江市の名物料理として知られるのが「スズキの奉書焼き」です。これは、スズキを楮を原料にした和紙で包み、蒸し焼きにしたもので、灰で蒸し焼きにしていた漁師が松江藩の藩主に献上したことが起源とされています。

宍道湖のスズキは秋から初冬が旬で、湖が荒れ始める時期に中海へ回遊します。この時期を「スズキおとし」と呼び、スズキが宍道湖を離れる理由は、宍道湖に落ちる雷を怖れているからだと伝えられています。回遊後、宍道湖に戻るスズキは産卵を迎え、身が肥え、脂がのっている食べごろになります。

「スズキの奉書焼き」の食べ方は、身に傷をつけずにエラからワタを取り、金串で身を突きながら塩を振りかけます。香味が増すように奉書は酒と水で濡らし、身の脂くどさを抑える役割もあります。もみじおろしや醤油、すだちを添えて食べ、焼いた奉書の香ばしい香りが広がります。スズキは他にもムニエルや揚げ物、吸い物などで楽しむことができます。

主な伝承地域:松江市
主な使用食材:スズキ

Information

名称
スズキの奉書焼
(しょうしょやき)

松江・玉造温泉

島根県