江戸時代の高名な茶人でもある、松江藩第七代藩主松平治郷が、自らの流派“不昧(ふまい)流”として茶道を広めたことから、島根県では煎茶道が発達し、現在においても、日常的によくお抹茶を飲む習慣が根付いているお茶文化がある地域である。城下町・松江を中心に、厳選された上質な茶葉を使ってて煎茶、抹茶等の、深い味わいと香り高い銘茶が製造されている。出雲の茶は、深い甘みの中にほのかな苦みと、まろやかな喉越しが楽しめ、二番、三番煎じでもおいしいことから「煎が利く銘茶」といわれている。また、秋や冬に収穫される番茶の味が良いことでも知られ、番茶を茶せんで泡立て、好みの具とご飯少々を入れて食べる“ぽてぽて茶”という郷土料理もある。