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小泉八雲旧居

(こいずみ やくも きゅうきょ)

松江で過ごした文豪の邸宅

小泉八雲旧居は、島根県松江市の塩見縄手にある歴史的建造物を利用した文学館で、国の史跡にも指定されています。別名「ヘルン旧居」とも呼ばれ、明治時代に日本と松江を西洋世界に紹介した文豪、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が1891年(明治24年)5月から11月まで約6か月間、新婚のセツ夫人と共に暮らした邸宅です。

八雲と日本庭園の深い関わり

八雲が居間として使った9畳の部屋からは三方に広がる日本庭園を眺めることができ、彼の多くの著作がここで生まれました。特に『知られざる日本の面影』第16章「日本の庭園」では、この邸宅と庭園が詳細に記され、八雲が日本の自然美に抱いた深い思いが伝わってきます。

庭園は自然の山水を取り入れた造りで、三方それぞれに異なる趣があり、きれいでありながらどこか静かで孤高の雰囲気を漂わせています。

歴史的背景と取得経緯

この邸宅は幕末期から根岸家が所有していました。明治維新後、当主の根岸干夫は県庁職員として今市町(出雲市)に居住しており、邸宅は空き家となっていました。そのため八雲はここで執筆や生活をすることができました。 2019年(平成31年)1月22日、松江市が根岸家から取得し、敷地内の別の建物は撤去されています。現在は小泉八雲記念館(西側)と田部美術館(東側)が隣接しています。

小泉八雲記念館 ― 八雲の世界を知る施設

小泉八雲記念館は、八雲に関する資料や遺品を通じて彼の生涯や文学世界を学べる施設です。旧居の西隣に位置する木造平屋建ての和風建築で、周囲の景観にも調和しています。

収蔵品は約1,500点に及び、初版本や直筆原稿、書簡、愛用品など約200点以上が展示されています。八雲が原稿を書きやすくするために特注した脚の長い机、デザインに興味を持ち収集していたキセル、来日時に着用していたスーツなど、彼の暮らしぶりや思想を鮮やかに伝える品々が揃っています。

2016年にはリニューアルオープンし、松江市出身の俳優・佐野史郎による『怪談』朗読や、学習に利用できる多目的ルームも設置されました。

建築概要

利用情報

開館時間は4月~9月は9時~18時(受付17時30分まで)、10月~3月は9時~17時(受付16時30分まで)で、年中無休ですが館内メンテナンスのため、年数回休館日があります。 アクセスは、山陰本線「松江駅」から市バスのレイクライン、法吉ループ右回りで「小泉八雲記念館前」バス停下車すぐです。

田部美術館 ― 茶道文化を伝える美術館

田部美術館は、島根県松江市にある登録企業博物館で、1979年(昭和54年)に設立されました。設立者は衆議院議員・島根新聞社社長・島根県知事を務めた23代田部長右衛門で、田部家伝来の茶道具を中心にコレクションが形成されました。

館は松江城堀川沿いの塩見縄手に位置し、外からは長屋門のみが見えます。門をくぐると菊竹清訓設計の本館が現れ、館内には抹茶を楽しめる喫茶室もあります。

主な所蔵品

塩見縄手 ― 武家屋敷と歴史を感じる通り

塩見縄手は、松江城北側の堀沿いに延びる約500メートルの通りで、小泉八雲旧居や武家屋敷、明々庵などが立ち並びます。昭和48年(1973)に松江市伝統美観指定地区に指定され、保存が図られています。また、昭和61年には「日本の道100選」に選ばれ、往時の城下町の景観が今に伝わっています。

歴史と名前の由来

かつてこの通りは、500石から1,000石取りの中老格の藩士の屋敷が並ぶ侍町でした。名称の「塩見縄手」は、通りのほぼ中央に松江藩中老・塩見小兵衛の屋敷があったことに由来します。縄手とは、平地などに細く延びる一本道のことで、当時は駕籠や大八車がやっと通れる細道でした。

歴史的景観の保存と堀沿いの老松

堀沿いには江戸時代から残る老松が連なり、枝の高さに合わせて歩道が設けられるなど、景観に配慮した造りになっています。赤山と城山の間の地形は、慶長年間に松江城築城のため切り割られ、城山を独立丘陵にし、内堀を掘削して田町の埋め立てが行われました。

現在の塩見縄手を歩くと、遊覧船が優雅に行き交う堀川、江戸時代の武家屋敷、老松の並木が織りなす景観に心が安らぎ、時代劇の主人公になった気分を味わえます。

地区内の主な施設

アクセス

山陰本線「松江駅」からレイクラインで15分、「塩見縄手」バス停下車、徒歩すぐ。松江城や周辺の観光スポットと合わせて散策すると、城下町の歴史と文化をより深く体感できます。

Information

名称
小泉八雲旧居
(こいずみ やくも きゅうきょ)

松江・玉造温泉

島根県