島根県 > 松江・玉造温泉 > 古代出雲王陵の丘

古代出雲王陵の丘

(こだい いずも おうりょう おか)

古代出雲の歴史と雄大な景色を楽しむ古墳公園

古代出雲王陵の丘は、島根県安来市のJR荒島駅周辺に広がる歴史公園で、弥生時代から古墳時代にかけて築かれた古代の墳墓群を中心に整備された観光スポットです。中海を見下ろす丘陵地に位置し、見晴らしの良い景観と豊かな自然環境に恵まれていることから、歴史散策とハイキングを同時に楽しめる場所として多くの人々に親しまれています。

この地域には古代出雲の有力者たちの墓と考えられる墳墓が数多く分布しており、その歴史的価値の高さから国の史跡にも指定されています。仲仙寺、宮山、塩津山、造山の4つのエリアが公園として整備され、これらを総称して「古代出雲王陵の丘」と呼んでいます。古墳の上に立てば、中海や遠く島根半島まで見渡すことができ、古代の人々がこの場所を選んだ理由を実感することができます。

古墳が集中する歴史的な丘陵地

JR荒島駅周辺は、弥生時代後期から古墳時代にかけての墳墓が集中している地域として知られています。中海の南岸に広がる安来平野の西側には標高約50〜60メートルほどの丘陵が連なり、その尾根沿いに古代の首長たちの墓が築かれてきました。

この地域に見られる墳墓は、弥生時代特有の四隅突出型墳丘墓から始まり、その後は大型方墳、さらに前方後方墳へと変化していきます。この変遷は出雲地方の首長墓の歴史を示す重要な資料であり、古代出雲の政治や文化の発展を知るうえでも大変貴重な遺跡群とされています。

現在は公園として整備され、古墳の上まで歩いて登ることができる場所も多く、歴史に触れながら散策を楽しむことができます。

全国最大級の方墳を含む造山古墳群

古代出雲王陵の丘の中心的な存在となっているのが造山古墳群(つくりやまこふんぐん)です。ここには4世紀から6世紀にかけて築かれた複数の古墳があり、特に1号墳は古墳時代前期の大型方墳として全国でも最大級の規模を誇ります。

1号墳は一辺約60メートル、高さ約10メートルという堂々とした規模の方墳で、1936年には竪穴式石室が発見されました。石室内部からは三角縁神獣鏡や玉類、鉄刀などの副葬品が出土しており、当時の有力な首長の墓であったと考えられています。この重要性から1936年には国の史跡に指定されました。

また3号墳も古墳時代前期の方墳で、竪穴式石室から銅鏡やガラス小玉などが出土しています。さらに丘陵の最高所には全長約50メートルの前方後方墳である2号墳や小型古墳の4号墳もあり、古墳時代の変遷を一度に見ることができる貴重な場所となっています。

中海を望む絶景の展望スポット

造山公園の大きな魅力の一つが、その眺望の素晴らしさです。古墳のある丘陵は中海を見下ろす位置にあり、墳丘の上や展望広場からは広大な景色が広がります。晴れた日には中海の水面がきらめき、遠くには島根半島の山並みまで見渡すことができます。

この雄大な景観は古くから多くの人々を魅了してきました。現在ではその美しい景色が評価され、「中海八景」の一つにも選ばれています。古墳の上から広がる景色を眺めていると、古代の人々がこの地に墓を築いた意味や、出雲神話の世界観を想像することができるでしょう。

弥生時代の王墓を伝える仲仙寺・宮山の墳墓群

古代出雲王陵の丘のもう一つの重要なエリアが、仲仙寺公園と宮山公園に広がる墳墓群です。ここには弥生時代後期に築かれた四隅突出型墳丘墓が残されています。この墳墓は、四角い墳丘の四隅が外側へ張り出す独特の形をしており、山陰地方特有の墓制として知られています。

仲仙寺古墳群は弥生時代後期から古墳時代にかけての墳墓群で、かつては18基以上の墳墓が存在していたとされています。現在はそのうちの一部が保存され、史跡として整備されています。宮山公園では四隅突出型墳丘墓が復元されており、古代の墓の形状を実際に見ることができます。

これらの遺跡は1971年に国の史跡に指定され、出雲地方の古代社会を理解するうえで非常に重要な文化遺産となっています。

塩津山公園に残る古代の墓と神社

塩津山公園には、古墳時代前期に築かれた方墳である塩津山1号墳が残されています。この古墳の特徴は、平野側の斜面が石で飾られている点で、当時の高度な土木技術をうかがうことができます。

現在の塩津山公園は山陰自動車道のトンネル上に復元整備されており、公園内には古墳のほかにも塩津神社があります。神社の近くには横穴式石室が露出しており、古代の埋葬施設を間近で見ることができます。静かな森の中で歴史を感じながら散策できる場所として、多くの歴史ファンが訪れています。

四季の自然を楽しめる散策コース

古代出雲王陵の丘は、歴史遺跡としてだけでなく自然豊かな公園としても人気があります。春には桜や野花が咲き、丘陵の緑とともに美しい景観を作り出します。夏には青々とした木々が広がり、涼しい風が吹き抜けるため散策にも最適です。

秋には紅葉が色づき、古墳のある丘陵全体が鮮やかな景色に包まれます。冬には澄んだ空気の中で遠くまで見渡すことができ、また違った魅力を楽しむことができます。このように四季折々の自然が楽しめることから、地元の人々がハイキングや散歩に訪れる場所としても親しまれています。

古代出雲の歴史を感じる特別な場所

古代出雲王陵の丘は、弥生時代から古墳時代にかけての古代出雲の歴史を体感できる貴重な場所です。大型方墳や前方後方墳、そして四隅突出型墳丘墓など、さまざまな時代の墓制を一度に見ることができる点は全国的にも珍しく、歴史研究の面でも重要な遺跡群となっています。

丘の上に立ち、広大な中海の景色を眺めていると、遠い昔にこの地を治めていた人々や出雲神話の世界に思いを巡らせることができるでしょう。歴史と自然、そして雄大な景色が一体となったこの場所は、出雲地方の魅力を感じることのできる観光スポットとして多くの人々を惹きつけています。

交通アクセス

古代出雲王陵の丘へは、山陰自動車道の安来インターチェンジから車で約15分の距離にあります。またJR荒島駅からは徒歩約7分とアクセスも良く、気軽に訪れることができます。歴史散策やハイキングを楽しみながら、古代出雲の壮大な歴史に触れることができる観光地です。

Information

名称
古代出雲王陵の丘
(こだい いずも おうりょう おか)

松江・玉造温泉

島根県